四間飛車の久保八段に対して、羽生王将がやや強引に居飛車穴熊に組む展開でした。結果的にその構想は「まとめられなかったし、指し過ぎだったかもしれない」(羽生王将)ということでした。
羽生王将は封じ手直前の△5五歩(図・46手目) ではまだ「△3五歩と穴熊を生かして攻めるべきだった」という感想を残しています。
2日目は久保八段が一方的に攻める展開になりました。本譜は遠回りのようでも道を踏み外さない手堅い順だったようです。
▲4三角(図・97手目)が決め手でした。△5二飛~△5六歩~△5七歩成と気持ちよく利かされても余していることを見切っていました。羽生王将も「最後は迫っているようでも足りません。切れていますね」と苦笑いしていました。
感想戦は40分ほどと短めでした。
久保八段は7番勝負の星をひとつ返し、同時に対羽生戦の連敗を8で止めました。副立会人の滝七段は「久保八段らしさが存分に出た将棋で、今後につながる1勝でしょう」と評しました。
羽生王将はこの日のうちに東京へ、ということで打ち上げに軽く出ただけで帰途につきました。久保八段は事前の予定通りに、明日は親しい関係者と趣味のゴルフを楽しんでから帰るとのことです。