この局面で昼食休憩に入りました。消費時間はどちらも57分。
次の一手は角を引くしかありません。△5三角は後で△4五歩の筋がありますが、6二銀の使い方が難しい。とすると、△4二角~△5三銀と駒組みしていくのが自然でしょうか。
森内名人の△6四角は、飛車のコビンを狙うことで▲3五歩の筋を牽制する狙いなのですが…。佐藤二冠は構わずに突っかけていきました。過去の実戦例は2局あり、指したのはいずれも所司和晴七段(1勝1敗)でした。
ぱっと見で映る△3五同歩▲同角△3六歩は、▲4六銀△4五歩に▲6五歩があって大丈夫。先手の金が5八にいるので、強引に△4六歩と取ってくる筋は考えなくてもよさそうです。
2007年11 月26日 (月) 11時30分 | 個別ページ
前期の王将リーグでの対戦です。このときは佐藤二冠がゴキゲン中飛車を採用しましたが勝負どころでミスがあり、森内名人が短手数で圧倒しました。
第56期王将戦挑戦者決定リーグ戦
平成18年11月24日 東京将棋会館
持ち時間▲名人 森内 俊之
各4時間△棋聖 佐藤 康光
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △5四歩
▲4八銀 △5五歩 ▲6八玉 △5二飛
▲7八玉 △6二玉 ▲6八銀 △7二銀
▲4六歩 △7一玉 ▲4七銀 △3三角
▲5八金右△3二銀 ▲7七銀 △7四歩
▲3六銀 △5一角 ▲6六銀 △7三角
▲4七銀 △8四歩 ▲2五歩 △3三銀
▲4五歩 △8三銀 ▲4八飛 △7二金
▲4六銀 △4二金 ▲5五銀右△5三金
▲5六歩 △8二玉 ▲7九角 △3五歩
▲4六銀 △3四銀 ▲3五銀 △3二飛
▲4四歩 △同 歩 ▲同 銀 △5二金
▲5五銀引△3三桂 ▲4一飛成△4二飛
▲1一竜 △4九飛成▲2二竜 △6二金左
▲3三竜 △2五銀 ▲6五桂
まで、59手で森内 俊之名人の勝ち。
(消費時間=▲2時間58分、△2時間46分)
盤面はこちらでご覧になれます。
http://mainichi.jp/enta/shougi/etc/kifu/061124.html
2007年11 月26日 (月) 11時18分 | 個別ページ
一昨年に両者が矢倉で対戦した棋譜です。
第55期王将戦挑戦者決定リーグ戦
平成17年10月 6日 東京将棋会館
持ち時間▲棋聖 佐藤 康光
各4時間 △名人 森内 俊之
▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩
▲7七銀 △6二銀 ▲5六歩 △5四歩
▲4八銀 △4二銀 ▲7八金 △3二金
▲6九玉 △4一玉 ▲2六歩 △5二金
▲3六歩 △4四歩 ▲5八金 △4三金右
▲4六歩 △5三銀右▲4七銀 △6四銀
▲2五歩 △3三銀 ▲6六歩 △3一角
▲7九角 △7四歩 ▲5七角 △7三桂
▲6七金右△4二角 ▲7九玉 △3一玉
▲3七桂 △2二玉 ▲1六歩 △5五歩
▲同 歩 △同 銀 ▲5六歩 △6四銀
▲8六銀 △9四歩 ▲8八玉 △7五歩
▲同 歩 △7六歩 ▲同 金 △8五歩
▲7七銀 △8四飛 ▲4五歩 △7五銀
▲6五歩 △7四歩 ▲4六銀 △8一飛
▲2四歩 △同 歩 ▲4四歩 △同 銀
▲2五歩 △8六歩 ▲同 歩 △2五歩
▲7五金 △同 歩 ▲7四歩 △4五歩
▲7三歩成△4六歩 ▲2三歩 △同 金
▲1五桂 △8七歩 ▲同 金 △6七銀
▲2三桂成△同 玉 ▲9六歩 △3五歩
▲2四歩 △同 角 ▲2六歩 △7八金
▲9八玉 △2六歩 ▲2五銀 △3三桂
▲2四銀 △同 玉 ▲3二角 △4二金
▲5四角成△8四飛 ▲6四歩 △4三銀
▲6三馬 △1四歩 ▲2五歩 △同 桂
▲2六飛 △3四銀 ▲2五桂 △同 銀
▲同 飛 △同 玉 ▲3七桂 △2四玉
▲2五歩 △1三玉 ▲2四銀 △2二玉
▲5四馬 △3二桂 ▲6六角 △5五歩
▲同 角
まで、121手で佐藤 康光棋聖の勝ち。
(消費時間=▲3時間59分、△3時間59分)
盤面はこちらでご覧になれます。
http://mainichi.jp/enta/shougi/etc/kifu/051006.html
2007年11 月26日 (月) 11時12分 | 個別ページ
羽生善治王将への挑戦者を決める第57期王将戦リーグ(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催)は26日、5回戦の佐藤康光二冠―森内俊之名人戦が行われる。毎日新聞の情報サイト「毎日jp」はこの対局を午前10時からネット中継する。このブログでは中継担当記者による現地からのレポートをお届けする。
2007年11 月22日 (木) 21時06分 | 個別ページ
本局の感想戦の模様は、コメント欄に補足してあります。序盤で藤井九段がリードを奪い、機敏に開戦してリードを奪って終盤となりました。ところが決め手を逃しているうちに、逆に丸山九段の勝ちとなります。ハイライトは95手目、丸山九段が▲6四香と打った局面。実はこの▲6四香は負ければ敗着となったであろう手で、代わりに紛れをなくして▲4七玉と上がっておくべきでした。本譜、藤井九段は(1)△7一金と寄りましたが、局後「死んだ方がいい」と嘆いた手。▲5一飛成とされて万事休しました。後手玉は▲8一金の詰めろとなってしまい、はっきり負けです。ここでは代わりに(2)△5二香が最善手でした。以下▲5三歩△同香▲同馬△2三飛成(!)▲同飛成△5八銀(参考1図)で、なんと先手玉は受けが難しい。
この筋を丸山九段はまったくうっかりしていました。対して藤井九段は狙っていたのにと残念そう。△4七金と△4九金、この2つの筋があって妙に受けづらいのです。放っておけば△4九金▲5七玉△6七成桂までの詰み。(A)▲3九玉は5四馬の筋をずらした効果で△1八成銀と引いて受けなしとなります。
ただし参考1図で後手勝ちかというとそうとも言い切れません。感想戦で戸辺四段指摘の妙防(B)▲5九金(!!)がありました。
これでどう応じても後手の包囲網は一瞬ゆるみます。以下先手玉はきわどく逃れていそう。ただし実戦でこの妙手を発見するのは至難でしょう。ともかくも、藤井九段は95手目△7一金で代わりに△5二香と打つべきでした。
2007年11 月13日 (火) 22時04分 | 個別ページ