「△4二金(28手目)が成立するかどうか」が本局の大きなテーマでした。
△4二金で先に△2一飛なら無難ですが、▲7八角と3四の歩を狙われたときに4三を先に受けている意味があり、通れば大きな得となります。
「成否は微妙だと思いますが仕掛けてみました」と羽生王将が▲2四歩~▲3一角と飛び込んで大決戦となりました。
△1二角(36手目)は△2二歩と迷ったと久保八段。△2二歩の変化に自信が持てず△1二角と予定を変更したという久保八段ですが、結果的にこの角はうまく働かず苦しい展開となってしまいました。
飛車を手にした羽生王将が悠々と駒組みを進めるのに対し、久保八段は早めに動きました。
△5一金から△4一金という美濃囲いを崩す勝負手で飛車を取り返した久保八段ですが、△4九飛に▲3七銀(69手目)が落ち着いた決め手でした。
「ぴったりの受けでしたね。これ以降勝負所はありません」と久保八段。ここからはほとんど感想戦はありませんでした。
後手は龍を作って瞬間的に駒損を回復しましたが、堅い先手陣とバラバラな後手陣の差が最後までものを言いました。
※感想戦の変化をコメントに追加しました。