終局後のインタビューにもある通り、羽生王将は108手目△7四桂と打って、先手玉は詰みだと思っていました。残り時間は両者ともに3分。本譜、久保八段は(1)▲7五玉と逃げて詰んでしまいましたが、(2)▲7六玉ならば詰まなかった。(A)△7五歩▲同玉では、△6四金▲8四玉と進んだとき、後手は△8三歩と打つための貴重な一歩が足りなくなります。感想戦では(B)△8六飛▲7七玉以下の変化が調べられましたが、やはり詰まない。また本譜104手目△6八香成に▲同玉でも詰まない。羽生王将は驚きの表情を浮かべていました。